彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
俺は咄嗟に後ずさりをしていた。


そういえば薫子はどうなったんだ?


意識を失っている間に俺を完全に殺してしまうことができたハズだ。


なのに……。


どうして俺は、ここで生きているんだ……?


矛盾点が見つかった時、俺の背中は病室の壁に当たった。


結音が体に刺されている点滴の針を引き抜き、ベッドから下りた。


「おい……」


『結音』そう呼ぼうとして、俺は絶句した。


針を抜いた腕から透明な液体が流れている。


それは離れた場所からでも異臭をはなっていた。


透明な液体は人形が歩くたびに床へと落ちる。


俺の視線は自然と床にたまる液体へと向かっていた。


そして……気が付いてしまった。
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