君が笑うなら
ジリリリリリリ……。


目覚ましの音に、自然と手が時計に触れ、音を止めると、目をこすりながら菜穂は起き上がった。


朝刊を配るバイトの時間。
すばやく身だしなみを整えて、パンを軽くかじる。まだ時間は3時。だが、自転車で配り届ける時間を考えると、そんなに遅くない。

ぐっすり眠ったつもりだが、また寝てる間にうろうろとしていたんじゃないだろうかと思うと少し不安になる。

本当はもっと大きなバイトをしたいのだが、知り合いははっきり言って浅い仲しかいないし、親戚は全滅だ。

夏休みになったら宿題を早々に終わらせて働こう、と菜穂は自転車に乗った。そして曲がり角にかかったとき、事件は起こった。

バターン!
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