君と描いた日常-負け組女子高生

最後の思い出

「麗華旅行行こう。」


それはあまりにも突然の提案だった。


悠紀はというと、私が妹の部屋から持ち出してきたぷよぷよに夢中で、さっきまで私の話なんてこれっぽっちも聞いていなかったからだ。


「急に思いついた。旅行いこ旅行。」


私は呆れてため息をついた。


「どこに?」


「アメリカ。」


「お金ないよ。」


「でしょ。だから東京。」


「何しに。」


「sightseeing」


悠紀は発音よく言った。


「いつよ」


「今からだよ」
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