その日から、僕らは。
身支度を済ませキッチンに行くと案の定惨劇だった。

「海ちゃーん!トースト焼けたよ!」
「はよ座りな、ほれ」

トースト、とはなんだったのだろうか。

皿の上にはいちごジャムがたんまりと塗られ垂れるぐらいに乗っている。

帝のトーストにはマヨネーズ、黒胡椒、海苔が載せられていてもはやパンが見えない、黒い何か、だ。

春夜のトーストはいちごジャムとマーガリンが可愛らしく乗せられている。

いずれにせよ、どれも俺の知っているトーストではなかった。

しかし俺のパンは春夜が作ってくれている、食べなければ泣きじゃくるだろう。
毎朝これを食べるのが俺の【日常】になっていた。

次の問題は飲み物だ。俺は珈琲を自身で淹れた。

「帝ってさ、それおいしいの?」

一見帝も珈琲にみえる、それ。

「ん?んまいけどのぉ…飲む?」

春夜がひきつった。丁重に断っている。
それもそうだろう、それは【黒酢】だ。
ホット黒酢。
帝はホット黒酢を淹れるついでに春夜にはちみつホットミルクを作っていた。

春夜は自分自身の飲み物がこれでよかったかのように飲んでいる。

俺は淹れたての珈琲を染み染み味わった。



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