異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。





水晶宮殿に入ったあたし達はひとまず迎賓館へ案内され、専用の部屋を貸していただけました。


迎賓館という名前の通りに本殿と遜色ない豪奢な建物には、国ごとの賓客が滞在するには充分な設備が整ってる。


迎賓館というよりは小さなお屋敷レベルの建物がゆったりとした間隔で建てられていて、それぞれ専用の庭園や門まである徹底ぶり。あたしとバルドが滞在を許可されたのは、赤い屋根とバラの庭園がかわいいお屋敷だった。


「うわぁ……すごいな。あたし、ここに住みたいかも」


三階建てのお屋敷には50もの部屋があって、よほどの大人数でも連れて来ない限りは大丈夫。あたしに割り当てられた部屋も、寝室と居間と衣装部屋に書斎……と。充分なくらいだった。


あたしの部屋の隣には6畳間ほどの侍女用の控え室があったけど、ロゼッタさんがそこでいいとすっかり落ち着いてしまいました。


(ミス・フレイルが来たらどうするんだか)


ハルトいわく、芹菜は忙しいからすぐには会えない。それまでは迎賓館で自由にしていいが、外には絶対出るなと念押しされた。それくらいわかってますって。


けど、初めて見るものばかりでわくわくが止められない。


ハルトが退出してミス・フレイルが到着するまであと一時間ある。バルドに訊いたら、好きにしろと言われたから。好きに散策することにして、早速庭に出てみた。


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