結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──
ユウは、事故に遭って意識不明の時に見た夢のような物の話をした。

「ひどいだろ?バカ息子!!って何度も言うんだよ。でも、あの時のオヤジと、レナのお父さんのおかげで、オレは…。」

ユウはレナの肩を抱き寄せて穏やかに笑った。

「もう一度…レナの元に戻ろうって…もう一度レナに信じてもらいたいって、思ったんだ。あんなにまっすぐに、オレを信じて愛してくれたレナを何度も傷付けて、泣かせたオレなんて、もう、生きてる資格もないかもって…地獄に堕ちても仕方ないって思ってたけど…レナのお父さんと、レナをお父さんの分まで愛して幸せにするって約束したから…。だから、生きようって、思えた。」

「ユウ…。」

「オヤジの想いも、レナのお父さんの想いも、繋いで行かないとな。」

レナはユウをギュッと抱きしめながら、頬をユウの胸にうずめて呟いた。

「ありがとう…私のところに戻って来てくれて…。もう一人にしないって…もうどこにも行かないって約束を、ちゃんと守ってくれて…ありがとう…。」

「うん…。オレのこと、待っててくれてありがとな…。目を開けた時、真っ白なドレスを着たレナが、天使に見えた。」

「天使…?」

「うん…。天使かと思った。」

レナは照れ臭そうに笑う。

「でも最近、レナは天然小悪魔かも?とも思った。」

「天然…小悪魔?」

「うん。」

「何それ?」

「レナは自分の知らないうちに、すごい色っぽい仕草で、オレをドキドキさせるから。」

「何それ…。」

レナは頬を赤く染めて、潤んだ瞳でユウを見上げる。

(かわいい…。)

「だから、そういうところ。」

ユウはレナの唇に、チュッとキスをする。

「えっ…。」

無自覚のレナは、思わぬ指摘を受けて、恥ずかしそうにうつむいた。

(あぁもう、マジでかわいすぎる!!)

「レナは天使なのか小悪魔なのか…どっち?」

「…どっちでもないよ…。」

「さっきからオレ、レナがかわいすぎて、めちゃくちゃドキドキしてるんだけど。」

「もう…。」


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