結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──
レナはユウの運転する車の助手席に座り、静かに窓の外を流れる景色を眺めていた。

「あの二人、ちゃんとお互いの気持ち、伝えられたかな…。」

「大丈夫だよ。二人とも、お互いすっごく好きなんだから。好きすぎて、相手の気持ちを聞くのも、自分の気持ちを伝えるのも、怖かっただけなんだよ。」

ユウの言葉に、レナはふふっと笑う。

「ユウ、自分のことみたいに言うんだね。」

「ん?」

ユウは、レナを想うあまりに失うことをおそれ、レナに想いを伝えることも、レナの気持ちを聞くこともできなかった、遠い日の自分に思いを馳せる。

「好きすぎてつらいことって、あるんだ。昔のオレがそうだったから、わかるよ。」

「そうなの…?」

レナは柔らかく微笑む。

「ねぇ、ユウ。」

「ん?」

「呼べば返事のある場所に大切な人がいてくれるって、幸せだね…。」

「うん…。好きな人に好きだって言えるのと同じくらい幸せかも。」

「じゃあ、好きな人に好きだよって言ってもらえることって…すごく幸せだね。」

「うん。レナ、好きだよ。」

「私も、ユウが好きだよ。」

「幸せだな…。」

「うん、幸せだね…。」

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