石林(シーリン)三国志

赤壁1

孫権は連合政権であり曹操とは恭順する方向が大勢だった。
ここに徹底抗戦を唱える名将周瑜を魯粛は説得した。

周瑜は呉軍随一の戦略家にして芸術や学問もある
美男子の最高司令官だった。

曹操はすでに数千隻にもなる大水軍を作り上げ、
長江上流の要衝江陵に集結を完了し、
宣戦布告状を孫権に送りつけてきた。

青目で赤毛の大男孫権は戦闘を好まない。
諸将と共に一時講和の方向でまとまりかけた。

その時大声で叫んだ一人の将軍、
「曹操恐るるに足らず!」
名将周瑜は諸将の前で大演説を放った。

「曹操の軍は水郷の戦いには不慣れだ。
雨もよく降るし食い物も口に合わない。

今や病がはやり体力は消耗し船酔いで
戦力は間違いなく低下している。

併合された刑州軍はもともと我らの味方だ。
5万の精鋭があれば絶対勝てる!」

孫権の顔色はみるみる変った。
周瑜は続ける。

「劉備の2万に我が直属の水軍3万を加うれば
総勢5万。全て精鋭中の精鋭である。

あとはいらん。残り10万は首都を防備せよ。
以上、いかが!」

孫権と諸将は防備の側と聞いて安堵した。
美男子最高司令官の大迫力に
孫権と諸将は声を合わせて、

「よし、戦おう!」
と劉備との同盟を決定した。
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