岡本くんの愛し方
次の日、今日も午前中は受付をすることになってる。
「あ、すずちゃん」
「園田先輩!お久しぶりです!」
園田先輩は男の人2人を連れて、お化け屋敷に入ろうとしていた。
「岡本と元通りになってよかったね」
「園田先輩のおかげですよ!」
そう言うと、ニッコリと微笑んだ園田先輩。
「3名様入ります!」
私は園田先輩に一礼をして、次の子と交代をした。
制服に着替えて、A組の教室の前で千尋くんを待つ。
にしても、すごい賑わいだなぁ……。
お化け屋敷だって負けてないけどね!
そんなことを思っていると、前から千尋くんが走りながら私の元へ来た。
「すず、ごめん、待たせた?」
「ううん!平気だよ!」
私がそういうと、千尋くんはニコッとしてから手を繋いできた。
「今日は、特に特別な日だから」
そう言われて、ドキッとした。
千尋くんも、覚えててくれたんだ。
「うふふ、1年だもんねー!」
「うん」
お店を一緒に回ったり、冷やかされたり、
イベントの前を通ったら、去年のカップルとかなんとか言われて引き止められたし、
文化祭が終わる10分前、
私と千尋くんは誰もいない屋上への階段のところで2人で座ってる。