殺人姫
「あ、り、えっ、な、はぁっ…はぁ、ふっ…」
ふざけないで、ありえないわよ、華の17歳、ここで散ってたまるものですか!

なんて思考でさえ、今の私から体力を削り取ってしまう気さえした。そんな事よりだ。

文系の私の体力がいつまで持つものか。

「はぁ、はぁ、…ふぁあっ!」
くたくたの状態で後ろを気にしたのがいけなかったか、ついに情けない声を上げ足首がグニャリとつかえた。視界がガクンとコンクリート製の地面に近づくと、汗が目尻伝いに流れ、少しだけ染みた。

倒れてる場合じゃない、逃げなきゃ。


私の背後には、

殺人鬼が迫っているのだから。

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