❮BL❯ 俺はホモじゃないっ



龍side






....このふたりはなんの話をしてるんだ?




辻が言った『同情してない』ってなんなんだ?




なんで洸は

気まずそうな顔をして辻を見てるんだ?







もやっと胸んとこらへんが

黒い靄みたいのがかかってるみたいに
気持ちが晴れない。



しかも、痛みを感じる。





....嫉妬。




たぶん。いやきっとそうだ。


この気持ちのよくない感情はそれしかない。




「....洸」




「....ん」




曖昧に返事する洸が心配になる。




「俺から好かれるのは嫌か?」




よくよく考えたら


この気持ちは普通じゃないものだから。




むしろ有り得ないものだろうから。




「いや、そういうことじゃ....」



「....俺を嫌いか?」



「....嫌いじゃねえよ....。

龍は....幼なじみだし。ダチだし。」





....幼なじみに、ダチか。





そうだよな、そりゃそうだ。

当たり前にそうだ。





俺と洸は幼稚園からずっと一緒で


洸からしてみればもう兄弟みたいな存在なんだろうな。



一緒にいるのが当たり前の存在。


幼なじみでダチ........






それがお前にとっての


五十嵐 龍だったんだもんな。



急にこんなんビックリするに決まってる。
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