神様の悪戯
外の景色をぼーと眺めていると、後ろから頭をポンと叩かれた。

「ちょ…ッ!何するの…大智(たいち)…」

「お前こそ、なにボケっとしてんだよ馬鹿」

茶髪で、スポーツ刈りが特徴的な爽やか少年。これは私の幼馴染だ。昔から剣道をやっていて、高校でも剣道部に所属している。
私はイマイチよく知らないがかなり強いらしい。

「それで?何でそんなにボケっとしてたわけ?
あ、分かったわ。さてはお前、昨日は楽しみすぎて寝れなかったな?」

大智はニヤリと笑い、「お前、昔から遠足やら旅行やらの前日は寝れなかったもんな」と笑いながら話した。
それに反応したのは凜で、可愛い!と私を抱きしめた。

う…り、凜さん…君、結構力が強いんだから…。

後ろの席の大智をジロリと睨む。

「ばーか」

べー、と舌をだして大智は自分の後ろの席の男子と話し始めてしまった。

凜が腕を緩めてくれて、また少し雑談をしてからイヤホンを着けてバスの外の景色を眺めた。






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古本 大智 (こもと たいち)
咲弥の幼馴染。剣道部所属
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