恋愛優遇は穏便に
何度も同じことの繰り返しなのに、回数をこなせばこなすほど愛おしくなる。

日曜日も甘い時間を過ごして気がつけば、夜の21時をまわっていた。

本当は月曜日、一緒に政宗さんの部屋から出勤すればいいと政宗さんが言ってくれたけれど、一旦お互いにゆっくり休んだほうがいいと私が提案し、政宗さんはしぶしぶ応じてくれた。

物足りなさを引きずるように、政宗さんは私の自宅マンションまで送ってくれた。


「やっぱり名残惜しいですね。日曜の夜は」


「そうですね」


「二人で住める場所を探しますから」


「私も時間をみて探してみます」


「こういう生活もドキドキしていいんですけど、やっぱりさみしいなあ」


そういうと玄関でキスをして、政宗さんは帰っていった。

一人の部屋に入り、蒸し暑くなった部屋の空気を追い出すべく、窓を開ける。

外からは虫の音とともに乾いた涼しい風が部屋の中へと入ってきた。

もうじき秋になろうとしている。

テーブルの上に放りっぱなしの大きな封筒を目にする。

政宗さんのお兄さんの会社へ行くことを言えずに胸が苦しくなった。
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