スノーパレード


「よーいっ、スタート!」


パーン!!!


入道雲を浮かべた青い空に、空砲が鳴り響く。

同時に一斉に走り始めた選手達に大きな声援が送られた。



その中に、珊汰の姿が見えてあたしは唇をぎゅっと結んだ。







………………


「どうゆう事……?」


おばさんの転勤?

専門を蹴った?

横浜?



何それ、あたし何も知らない。

何も聞いてないよ…。





「……ごめん、保科。」

口火を切ったのはマコトくんだった。



「俺から言えるのは、一つだけ。」

「おい、マコト…!」

静止しようとする山下くんの肩を引いて、マコトくんは俯く。



「あいつ…珊汰、いつも言ってた。」

体が、震えていく。


「保科が、自分だけの物だったらいいのにって。」

それは、寒いから?
それとも………。





「あいつの事、悪く思わないでやって。」


珊汰の温もりが、傍にないから?




< 29 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop