スノーパレード
「よーいっ、スタート!」
パーン!!!
入道雲を浮かべた青い空に、空砲が鳴り響く。
同時に一斉に走り始めた選手達に大きな声援が送られた。
その中に、珊汰の姿が見えてあたしは唇をぎゅっと結んだ。
………………
「どうゆう事……?」
おばさんの転勤?
専門を蹴った?
横浜?
何それ、あたし何も知らない。
何も聞いてないよ…。
「……ごめん、保科。」
口火を切ったのはマコトくんだった。
「俺から言えるのは、一つだけ。」
「おい、マコト…!」
静止しようとする山下くんの肩を引いて、マコトくんは俯く。
「あいつ…珊汰、いつも言ってた。」
体が、震えていく。
「保科が、自分だけの物だったらいいのにって。」
それは、寒いから?
それとも………。
「あいつの事、悪く思わないでやって。」
珊汰の温もりが、傍にないから?