愛と哀
「よし。準備できた。早く行くよ、七乃」
「……うん」
荷物を持って、春田くんと手を繋いで部屋を出た。
そして嫌でも目に入ったのが……。
「……っ」
「なるべく見ないようにしてね。こんな汚いモノ」
階段のそばで頭が血まみれになって倒れている玲央さん。
確実にもう死んでる。
吐き気を抑えながら階段を下りた。
階段を降りた所には彼の母親の死体。
なるべく見ないようにした。
必死に吐き気を我慢して、久々に家の外に出た。