愛と哀





言葉の意図は不明だが。


少なくとも彼は、よからぬ事を考えてそうだ。




「夕麻くんっ……もう、寝ようよ。私、眠くなっちゃった」


「そう、だね。もう眠ろうか」



咄嗟に話を逸らした。

危険な方向に話が進みそうな気がした。



眠くないが、必死に寝たフリをした。




「七乃?もう寝ちゃったの?」


狸寝入りした私に彼は何度か声をかけてきたが、私は寝たフリをして反応しなかった。




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