愛と哀








放課後。



「帰ろう。七乃」



彼はさり気なく私のカバンを持って、私の手を握った。


周囲の視線が痛い……。




女の子達から注がれるのは氷のような視線。





「春田くん、カバンは自分で持つよ……。手も」


「ダメ。俺がこうしたいから」



彼は断固と譲らない。
結局私は彼に流される。




手を繋いだまま学校を出て、彼は衝撃的な事を言った。




「これからうちおいでよ」




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