愛と哀

近づく終点と危険






すっかり暗くなって。


方角も何もわからず、足を引きずるようにして泣きながら歩いた。



空には大きな丸い月が出ていた。


恐らく満月。





「ここ……どこっ……」



夕麻くんがどの辺にいるのか。


どれくらい歩いたか。



もう何もかもが……どうでもよくなってきた。




ただ心を支配するのは、果てしない絶望感。





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