愛と哀

唐突なお誘い







彼が私の家に来た日から早数日。




あれから特に変わった事もなく、彼がうちに来たいという事もなかった。


そして母が私に冷たいのも相変わらず。






「七乃、今日はキミに大事な話がある」


放課後。

彼の家にお邪魔して一緒に宿題をしてる時の事だった。




急に彼はシャーペンを置いて、私を真剣な眼差しで見つめた。





「ど、どうしたの……?」


「七乃」




彼は両手で私の机の上に置かれた左手を握った。


そして……。






「これからは一緒に暮らそう。ここに住みなよ」


衝撃的な事をサラリと口にした。




< 52 / 283 >

この作品をシェア

pagetop