愛と哀

崩れていく





私は気づいてなかった。
想像もしてなかった。


少しずつ、壊れ始めていた事に……。




「七乃、夕飯の買い物に行ってくるから。何か欲しい物ある?」


「ううん……ないよ」


「そっか。すぐ戻るからね」



私の唇にさり気なくキスをして、買い物に出かけて行った。



私は春田くんとの約束を守ってる。


学校以外は外出しなくなった。

約束を破ったら何をされるのかが、恐ろしくてたまらなかった。



春田くんって基本的には優しい人だけど。

怒ったら何するかわからないもんなぁ。



< 98 / 283 >

この作品をシェア

pagetop