初恋も二度目なら
「あの。ユキオくん」
「なあに?」
「私・・・部長のお宅にもまだお邪魔したことがないのに、いきなり男性のお宅にお邪魔するのはちょっと、抵抗が・・・」
「うわ。サヤコちゃん、そうきたっ!」
「やっぱりサヤコちゃんってウブだわー」と言ったジュンコちゃんは、呆れているのを通り越して、もはや感心しているように見える。

「すみません」
「いいのよぅ、謝らなくても」
「じゃあ6月6日の土曜日にうち来れば?悠里も来るから」
「え!」
「あらぁ。それはグッドアイデアねっ!ワタシ、その日がユウリくんと初対面になるのよぅ!だからちょっと緊張しちゃって。サヤコちゃんも一緒にいてくれると、すっごく嬉しいわ!」
「あ・・・じゃあ、はい。6月6日にお邪魔させていただきます」

と私が言うと、周囲から拍手が沸き起こったり、方々から「よしっ!」とか「グッジョブ!」という声が聞こえてきたり。
何よりユキオくんと悠希さんが、顔を見合わせてニッコリ、というよりニマーっと笑ったように見えた・・・のはなぜだろう。


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