初恋も二度目なら
「少なくともおまえは、俺と“アレ”をする気があるんだな」
「はっ!?いやそんなっ!!」
「ところで小夜(さや)」
「ふぁい・・・」
「“アレ”とはなんだ」
「そそそれはーっ!そんな・・・恥ずかしいことを、あたりに誰もいないとはいえ、公共の道端で、私に言わせないで」と惨めな声で部長に懇願すると、ニヤけていた部長は、ゲラゲラ笑いだした。

しかも部長ってば、おなか抱えてるし。

「ったくおまえは・・・相変わらず俺を楽しませてくれるなー」と部長は言うと、そのまま前へ歩き出した。
「えっ?ぶちょ・・・」と私は呟きながら、部長の後を追いかけるように、私も歩く。

と思ったら、立ち止まった部長が、クルッと私の方にふり向いた。
つられて私も立ち止まる。

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