初恋も二度目なら
「ま、俺としては、月1くらいのほうが助かる。できれば月ゼロのほうがもっと助かるが」
「もう部長ってば。またそんなことを言って」
「いやマジで。実はさ、婚活所からクレームのメールが来たんだ」
「・・・え?な、なんで・・・まさか、森下さんのことでですか?あの人がクレーム出したんですか?」
「誰が出したのかは知らんし、そんなの興味ねえ」
「じゃあどうして・・・」
「あんとき、俺んとこばっか女がわんさか寄って来てたから、他の野郎たちが女と話すチャンスがなかったとか言われてもなあ?俺にはどーすることもできねーじゃん?」と言う部長を、私は驚愕の面持ちで、しばし見ていた。

「じゃ、あの、女性の輪の中心にいらしたのは・・部長だったの!?」
「たぶんな。やけに人多いなーと思ったんだよなぁ。しかも女ばっかで、あちこちから声かけられるし。写メ撮ろうとしてた女もいたし。ったく、記者会見じゃねえっての。“長峰様の場合、婚活パーティーという場にご出席いただかなくても、お相手が見つかる機会は十二分にあるかと思われます”とかメール送られてきてもなぁ。俺だって一時身動き取れなくて大変だったんだぞ」

とブツブツ言ってる部長の顔が、私とは別の意味ですねてるように見えて・・・ついクスクス笑ってしまった。

< 77 / 256 >

この作品をシェア

pagetop