初恋も二度目なら
おデブゆえに大柄に見えるという外見のコンプレックスを見事克服した私は、自分に少し自信を持てるようになった。
自分の外見が、好きになった。

そこで私は、32歳になった今年から、いわゆる婚活を始めた。
社内の人たちや両親、数少ない友だちにも内緒で。

私は結婚願望が強い方だとは思っていないけど、婚活パーティーに来る人たちは、結婚を考えている分、真面目な人が多いと思う。
32という年齢を抜きにしても、私の性格上、真剣な恋愛しかできないし、結婚を視野に入れた恋愛の方が、真剣味があると思うし。

『かたいんだよ、おまえは。体も・・・』
『うっ、だ、だってこんな・・・体勢、腰が・・・できな・・・』
『真面目なことは・・・おまえの長所だが・・・小夜には遊び心が足りねー』

・・・何も、“アレ”の最中に・・・しかもあんな体勢をさせておきながら、あんなことを言わなくても・・・じゃなくって!

また長峰さんのことを思い出してる。

・・・私にとっては初恋で、初めておつき合いして、初めて・・・抱かれた人だから、かな。
不意に思い出してしまうのは。

あれからもう6年経ったんだ。
そんな思いを断ち切るためにも、そしてもう長峰さんに恋愛感情を抱いてないと自分で納得するためにも、新たな出会いと恋がしたいと思っていたのに・・・。

私の元カレ・長峰さんが帰ってきた。
営業部長に昇進して。

しかも私は、総務から営業事務へ、異動になってしまった・・・!

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