黒い羽と嘘と執着
「あ、そうか、椿ちゃんは俺らのこと知らないんだったよな…」
私が困惑していたのを察したのか掴んでいた手を離してくれる
「俺は坂田次朗って言って……とにかく今は俺に付いてきてくれねぇか?ここは今の椿ちゃんには危険な場所なんだ、事情は後で説明する」
両手で頼む!ってポーズをされて、なんだか焦っていることは伝わってきた
もしかしたら、今日の出来事に関係しているかもしれない
……とりあえず付いて行ってみようかな?
「わかりました」
ため息を付いて承諾した私に坂田さんはホッとしたように「サンキュー」と言った