恋のお相手は小さな男の子
何で私の御守りがバレたのかは分からないけど、1つだけ確かな事がある。
この少年は子供だとなめていたら、こっちがしてやられる。
「子供には分からない感覚なんです!」
「葉月も相当子供だけどな」
「君よりは大人です!」
言葉の返しだって、毎度腹が立つ程的を射てる。
「はいはい。まあ、でもこんな問題も解けない様じゃ、俺より子供だけどな」
そう言ってトンッと指を差されたのは、私の手にある解答用紙。
更に少年が差す場所は私が一番苦手としている箇所だ。
「こんな問題って、これベクトルの問題だよ!ベクトルって何か分かってる?」
「分かってるけど」
「うっそだー。小学校でも中学校でも習いませーん」
ベクトルは高校になってからしか習わない筈だもん!
いくら中学受験の勉強をしていても、小学生のこの少年に分かる筈がない。
なのに私に馬鹿にした目を向けると、
「習っても、28点じゃね」
子憎たらしい事を言ってくる。