恋のお相手は小さな男の子
「三浦先輩……」
先輩の名前を口にした途端、ぽろぽろと目から溢れ出してくる涙。
その涙が頬を伝って下へと落ちていく。
『葉月ちゃんって、りすみたいで可愛いよね!』
そう言って微笑んでくれた先輩。
『葉月ちゃんの髪、サラサラ。俺、こういう髪、好きだな』
そんな言葉と共に、私の髪を手ですかしてくれた先輩。
そんな事されたら好きになるよ……。
そんでもって、先輩も私の事好きなのかな…なんて思っちゃうよ。
両想いかもって思っちゃうよ。
なのに、
『あ~、ごめん。君は恋愛対象外なんだ』
なんて言われちゃったんだよ。
一人勘違いして、恋人になれると思い込んで告白して振られる。
「もう、……やだぁ……」
そう言いながら自分の顔を両手で覆う。
静かな夜の公園に響くのは私の泣き声だけ。
の筈だったのだが、
「ぶっ細工な顔して一人で何してるの、アンタ?」
後ろから聞こえてきた、その低いのにどこか高さも含んだ声に思わずビクッと肩が揺れた。
男の人……だと思う。