恋のお相手は小さな男の子
が、佑真君は真剣な目で私を見つめると口を開く。
「本気で思ってる。言うつもりなかったけど葉月は可愛いよ!」
「なっ……」
可愛いって本気で言ってくれたその言葉に、思わず顔が火照る。
トクトクトクと速くなる鼓動。
「まっ、俺の感覚だから端から見たら可愛いくないかもだけどな」
心臓、……凄い速いし。
小学生のくせに。
私より年下のくせに。
「そういう事……」
「ん?」
「そういう事は、後10年経ってから言ってよね!」
ぷうっと頬を膨らませている私を見て、「10年って」と佑真君が苦笑いを漏らしている。
それでも、年下の佑真君の言葉に頬が火照ってるなんて事を悟られたくなくて、ぶっきらぼうに言葉を続ける。
「私は年上の頼れる人がタイプなの!だから、小学生の佑真君に言われたって全然嬉しくないんだから!」
プイッと顔を佑真君から逸らすと、プッという笑い声が聞こえてくる。
そして、
「嬉しかったんだ」
ニヤリと笑ってそう言う彼には、私の気持ちなんてバレバレだったのだろう。