恋のお相手は小さな男の子



「悩んでるね、葉月」


「うん。将来やりたい事とか、全然分かんないんだよね」



自分が何をしたいかも、何になりたいかも分からない。


自分の未来が見えない。


それが凄く不安で、段々と自分が何だかダメな奴に思えてくる。



「簡単に直ぐ見付かるものでもないし、取り敢えず大学の名前書いとくのも1つの手よ」


「うーん。……だよね」



夕香のいう通りそれも有りだとは思うんだけど……。


じゃあどこの大学を書くの?と聞かれたら、それも分からないんだ。


学部なんてもっての他だ。


私が学生で居られるのは、後何年なんだろう……。


私は何がしたいんだろう……。


わ、分からん。



結局纏まらない考えに疲れて、ズルッと机へと突っ伏した。


進路希望調査表はまだ真っ白のまま。








ーーーーー


学校終わりの公園。


ここに来るのが最近の日課になりつつある気がする。


ここに来たからといって毎回佑真君と会えるわけじゃない。


けど、何となく足が向く。


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