涙色のバレンタイン。






-菊-




トクン…。




小さく自分の鼓動が聞こえた。



目をゆっくりと開けると。


見覚えのない天井が見えて、柚樹の顔が次に見えた。







「菊っ!」



その横には医者がいて、あたしの身体について説明をしてくれた。




「幸いにも、ほとんど身体は大丈夫です。


しかし―…、記憶が…」







あたしの記憶の一部が、なくなっていた。


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