クリアスカイ
思っていたよりも早く計画は実現されたことから、よほどアツシが楽しみにしている様子がわかった。
内心、企画倒れになるのでは。。と予想していただけに突然の連絡に修二は金曜のスケジュールを確認せず返事をしていた。
携帯をポケットにしまいながら席に戻ると浅井がちょうど煙草を消した所だった。
「浅井さん、金曜って会議とかなかったですよね?」
浅井はうーん。。と考えてから、
「うん。今んとこ特別なかったはずだよ。何、デート?」
「だったらいいんですけどね。」
修二は笑うと軽く経緯を説明した。
「へぇ〜。いいね、そういうのも。」
浅井は立ち上がると側の自販機でコーヒーを二本買って一本を修二にさしだした。修二は「いただきます。」と受けとると、
「メンツ的には悪くないんですけどね、なんせ3年ぶりなんで。」
「まぁね、学生の頃とは違うだろうね。でもきっと縁があるから再会するんだと思うよ。」
浅井の言葉に修二は素直に納得した。アツシはともかく県外へ行ったつー君と家庭を持った須藤(来ればの話だが)というバラバラの環境の四人がこんなふうに再会するとしたら、何か引き合うものがあるのかもしれない。そんな奇妙な感覚さえ感じていた。
浅井は時計を確認し、立ち上がると
「ま、次回があるかどうかはわからないとしても、とりあえず楽しんできたら?さて、仕事仕事!」
修二の肩をポンと叩き先に歩きだした。
修二も急いでその後を追う。須藤への連絡は仕事が終わった後にでもしてみようと思っていた。



< 11 / 67 >

この作品をシェア

pagetop