クリアスカイ
秘密
次の日、修二は会社帰りのさなかに須藤に電話をかけていた。
須藤にはまだ何も話していなかったし、修二自身も昨日までは話せる心境ではなかったのだが、今日はとにかく須藤と会うつもりでいた。



『もしもし?』
「あ、俺。」
『どうした?』
「今夜、時間ある?」
『あぁ。平気だけど。』
修二は歩きながら「話がある。」と用件だけを述べた。
『わかったよ。今、どこ?』
「今、仕事の帰り。もう家に着くけど。」
『じゃあ、お前んち向かうわ。』
「悪いな。」

須藤も深くは聞かずに快諾した。修二の声色からいつもとは違う様子が窺えた。




修二は家につくと着替えだけ済ませ、須藤を待った。インターホンが鳴ったのは暫くしてからの事だった。

須藤は靴を脱ぎながら
「で、何があった?」
とすぐさま尋ねた。
修二はとりあえず飲み物だけテーブルに置くと須藤と向かい合うように座った。

そして、つー君と会った事、アツシに会いに行った事を詳しく説明した。
須藤は時折相槌を打ちながら、修二の話を聞いていた。
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