セカンド☆ライフ

尻尾

俺と虎彦は本屋のスタッフルームに忍び込んでいた。

《オッケー、事務所内にも通路にもカメラはないで》

《了解、引き続き通路の見張り頼む》

《はいよ》

《花子さん、裏通り側の小窓の鍵が開いてます、花子さんの体格なら入れるはずです》

《了解、そこから侵入します》

《詩乃は裏通りの見張りよろしく》

《は〜い》

《花子ちゃん乳が引っかからんようにな♪》

《大丈夫です、空気抜けば余裕です》

《え?それ風船なん?》

「侵入完了しました」

『さすが早いね、じゃ録画データの抜き取りお願いします』

「了解」

《ねぇ風船なん!?》

《虎彦さんサイテー…》

《ちょ詩乃ちゃん!?》

(緊張感ねぇな…)

「録画データ抜き取り完了しました」

『オッケー、脱出してください』

「了解」

《詩乃は花子さんと一緒に行動して》

《りょうか〜い》

《脱出完了、撤収します》

《気をつけて、虎彦!俺らも撤収!》

《うし、ムーブするわ》

《じゃぁ花子さんと詩乃は遺族会本部で録画データのチェックお願いしますね》

《了解》《は〜い》

俺は虎彦を追って捜査本部へとムーブした。

『上手く行ったなぁ』

『ここまでは、ね』

『映っとったらええねんけどなぁ』

可能性は低い。
ここまで周到に痕跡を隠してきた犯人が、防犯カメラに撮られてるなんてヘマはしないだろう。

むしろもう一つの可能性の確証となるものが発見できればそれでいい。

『とりあえず二人から連絡あるまではヒマやな』

『そうだな…』

『なぁ唯里』

『ん?』

『お前もホルダーなん?』

『え?』

『いや、遺族会と繋がりあるっちゅうことは…と思ってな』

『…だったら…どうする?』

『別に?ホルダー言うてもノイズ吹き出してない時は普通やしな』

『そうだな』

『あの花子ちゃんかてホルダーやろ?』

『うん』

『あれ?でもファーストなんになんでホルダー?』

『ノイズはファーストにも影響するんだって』

『おかしいなぁ、自警団では影響せんって教わったけどなぁ』

『自警団で?』

『おう、センセ間違ってたんかなぁ』

『自警団って何人くらいいんの?』

『うちの街だけで200人、全国的には万単位らしいで?』

『万!?全国!?じゃうちの街にも自警団あるのかぁ』

『いや、ここにはないで?ここは昔から遺族会のシマやからな』

『そうなのか…』
(万単位の組織から縄張りを確保できる遺族会って…あれ?そう言えば遺族会って何人くらいの組織なんたろ…)

《録画データのチェック終わったよ〜》

詩乃からのトーク。

《了解、二人ともこっちに来れる?》

《今から向かうとこ》

《わかった》

『さぁて、進展しますかねぇデカ長?』

『デカ長って…』

『実際お前は俺らのパーティーのリーダーやからな』

『はぁ!?』

『いやさっきめっさ指示出してたやん』

『ん…無意識っす…』

『まぁ言い出しっぺなんやしリーダーやっとけや』

『めんどくさ…』
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