セカンド☆ライフ

ノイズホルダー

横峰と別れた後、俺はいろいろなことを考えながら辺りを漂っていた。

『殺された…』

『いや君は純然たる事故死だよ?』

『いや俺じゃなくてよこみ…うぉう!!』

突然後ろから声をかけられ、驚いて振り向くとそこには純流さんがいた。

『いつも突然ですね…』

『唯里君が注意散漫すぎるだけだよ♪』

『ぬぅ…一理あるですね…』

『それで?誰が殺されたって?』

『あぁ、実は…』

俺は横峰との再会から今日までの経緯を話した。

『ふむふむ、まぁよくある話だね』

『そんな言い方って…』

『唯里君、君も彼女もそして僕も、ファーストからセカンドになった、ただそれだけたよ…理由はどうあれ、その事実だけを受け止めればいい、理由に固執すれば…』

『ゼロ…ですか?』

『うん、僕はその子に会ってないからなんとも言えないけど、危険な状態なのは間違いないと思う』

『横峰がゼロに?』

『可能性の話だけどね、なんせゼロについては解らないことだらけだから』

『そんな…横峰が…』

『そう悲観的にならなくてもいいと思うよ?』

『どういうことですか?』

『半年以上も固執してて、それでもセカンドを維持してるんでしょ?たぶん、目的を遂げるまではゼロにはならないんじゃないかな』

『犯人を見つけなければいい…ってことてすか?』

『そういう手もある、って話だね』

『なるほど…』

『ただ…もし彼女が【ノイズホルダー】になってれば危険だね』

『ノイズホルダー?』

『執着心とでも言うのかな、負の感情が蓄積しすぎると、淀みとなって発散されるんだよ、その状態をノイズホルダーって呼ぶんだ、便宜上ね』

俺は黒く濁った横峰を思い浮かべた。

『心当たり…ありそうだね?』

『でも一瞬でしたよ!?』

『唯里君、悪いことは言わない…彼女には近づくな、君まで引きずられるよ?』

『でも…!』

『唯里君!』

『だって横峰は俺の…』

『友達…かい?』

『はい…』

『気持ちは解るよ、僕にとっては君はソウルメイトだ、だから失いたくはない』

『俺だって横峰は大事ですよ…』

『うん、解るよ。だから無理強いはしない、でも忠告くらいはしてもいいだろ?』

『ありがとうございます…』

『…しょうがないなぁ』

『え?』

『まだ早い気もするけど、君に新しいスキルを伝授するよ♪』

『す…スキル?』

『そ♪スキル♪』

『なんですかそれ?』

『スキル、アビリティ、じゅもん、呼び方はなんでもいいよ、便宜上だから♪』
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