セカンド☆ライフ
『……の』

『……の…!』

『詩乃!』

!?
『ゆいり…くん?』

『気がついたか!良かったぁ…』

『えっと…おはよう?』

『お…おはよう…?』

真っ白な空間、右も左も、上も下もわかりません。

『あ…膝枕…』

『うん、あん時と逆だな』

『そうだね…』

『俺の胸…触る?』

『…ちゅうがいい…』

『うん…』

ゆいりくんの唇…
あったかい…

『詩乃』

『ん?』

『俺さ、確かにいろんな可能性があったと思う』

『…うん』

『ひ孫に囲まれて大往生とかね』

『…ごめんなさい…』

『最後まで聞けって』

『…うん』

『可能性はあったかもだけど、こうして詩乃とあの世で結ばれる可能性もずっとあったんだよ』

『これも…可能性?』

『うん、生きて大往生も、死んで詩乃の彼氏も、可能性の一つ、いろんな可能性の中から今が選ばれただけ』

『ゆいりくん…』

『結果として俺は今幸せです、他の幸せの可能性なんて考えても無意味、今の幸せが大事、じゃね?』

『ゆいりくんは本当にそれでいいの?納得できるの?』

『うん、初恋が実るなんてロマン満載じゃん?』

『初…恋?』

『あ〜、うん、ずっと忘れてたんだけどさ、さっき思い出した、俺の初恋の相手は詩乃だよ』

『消しゴム貸してあげたから?』

『え?なんで知ってんの?』

『ないしょ』

また涙が溢れました。
でもさっきまでの涙とは違います。
これは嬉し涙。

『ところで詩乃さん』

『…はい?』

『いや俺は構わんのですがね…』

『…なんでしょう?』

『えっと…服…イメージしたほうが良くないですか?』

『あ…』
< 77 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop