セカンド☆ライフ
『きえちゃだめだよおねぇちゃん』

『ゆいり…くん?』

『おねぇちゃんにはまだみてもらいたいものがあるんだ』

嫌…
もう嫌…
見たくない…

『だめだよ』

ヤメて…
見せないで…
もうわかったから…
私がどれだけ罪深かったか…
わかったから!

『みて』

映像が流れ込んでくる…
ゆいりくんの記憶が…
想いが…

二人で重ねたセカンドライフが…

『横峰さん』

ゆいりくん…

『しのちゃん』

ゆいりくん…

『詩乃』

ゆいりくん…

『詩乃!』

ゆいりくん…!

『詩乃!!』

ゆいりくん!!

気がつくと目の前にノイズが壁になって渦巻いていました。

『諦めんな!!自分をしっかり持て!!』

『ゆいりくん!?』

『俺の手!わかるか!?』

『わかる…わかるよ!!』

『離すなよ!?』

『離さない…離さない!!』

黒い渦の中、私の右手が飲み込まれています。
その手に、ゆいりくんの手が確かに繋がれています。
ゆいりくんの温もり、ゆいりくんの柔らかさ、確かに感じます。
姿は見えないけど、確かにゆいりがそこにいます。

『自分をイメージしろ!消えかかってるぞ!』

『私…私…?』

『お前は詩乃だ!思い出せ!』

『私…』

『思い出せ!俺の大好きな詩乃だ!』

『私も…私も!大好きなんだから!!ゆいりくんの彼女だもん!!』

全身に感覚が戻ってきました。
痛い!
ノイズに絡みつかれた腕に激痛が走りました。

『いっ…た…!』

『引っ張ってくれ!俺を引きずり出すイメージを膨らませろ!』

『引きずり出す…イメージ…』

ゆいりくんを…
ゆいりくんが戻ってくるイメージ!

『ゆいり…くん!あとでちゅうしてよねっ!?』

『する!唇が腫れ上がるくらいしてやる!だから頑張れ!!』

『うぅぅぅぅぁぁぁあああっ!!ぶっこ抜けわたしぃぃぃぃぃっ!!』

目の前のノイズの塊からゆいりくんがズルリと引き抜かれました。

『詩乃!』

あぁ…
ゆいりくんだ…

ゆいりくんが帰ってきた…
< 76 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop