彼と僕らの1年間
「まーやのママ...元気にしたい...」
と、今にも消えてなくなりそうな小さな声で答え、小さなくり目からはポロポロと涙がこぼれ始めた。
「会いたい人はママでいいのかな?」
俺は愛綾の顔をのぞき込むように聞くと、
「うん...っ!ママに大丈夫大丈夫するの...っじゃないと...っママ悲しくてしんじゃう...っ!」
涙を両手で必死に拭いながらそう言った。
凄くお母さんのことが大好きな子なんだろう、箱ティッシュを渡し、とりあえず少し落ち着いてもらおうと頭を二回ポンポンと撫でた。すると少し表情が緩みこちらに向かって微笑んだ。泣いた後というのもあってかとても守ってあげたくなるような、愛らしい笑みだった。
「それじゃぁ、ママに会う前にいろいろ準備してから行こうか。ロッカーから荷物を取って来るから少しここで待っててね。すぐ戻ってくるから」
そう言うと、愛綾はこくこくと頷き、近くにあった椅子に座り楽しそうに足をぷらぷらとさせている。小さいというのもあるせいか自然にすることなすこと全てが可愛く見える、俺はもしかしたらロリ●ン...なのかもしれない...。いやいやそんなことない!俺は小さな子供が好きなだけだ、きっとそうだ。うん。そうでありたい...。と一人で感情と戦いながら教室を後にした。
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