この空の下でめぐり会う奇跡



オレは石川一樹(いしかわいつき)
は 新垣美空(にいがきみく)という
彼女と付き合ってた。


出逢いは4年前の
新大阪駅構内。


声を掛けてきたのは美空の方からだった。


「あの~すみません」


「何?」


「梅田に行きたいんだけど」


始めは逆ナン?
そんなにたくさんの荷物をかかえながら?
と思って無視してた。


「あの~あたし東京から出てきて
何も分からなくて…」


東京・・・。


美空はキャリーケースにサイド鞄に
沢山の荷物を持っていた。


「まさかの家出?」


「違います!
4月からこっちの専門学校へ通うので
出てきたばかりで…」


それでも半信半疑
変な奴かもしれないと思って


「人に聞くより携帯のネットで調べれば?」


と 言い放つ。


「大阪の人って冷たいんですね
大阪ってアットホームなところだと
思ってました」


「ああ…オレね
大阪の人じゃないんで」


「ああ…すみません
あなたも分からないんですね
声かけてすみませんでした」


美空は丁寧に深々と頭を下げて
またコロコロとキャリーを引きながら
前へと向かっていった。


本物の迷子?








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