とけるほど、抱きしめて
隼の優しさに、少しだけ元気になった。
いい大人が落ち込んでなんていられない


そう自分に言い聞かせ、毎日毎日デザインと格闘した。

全てを忘れるために。



残業して、時計の針が8時を指した。
「後は、明日にしよう。」
独り言。


デスクの引き出しに手を伸ばして一粒
チョコを口に運んだ。
「美味しい…。」


「月乃?俺にも一つ!」
課長が私の肩に寄りかかる。

「どうぞ。」

「サンキュー」

「では、お先です。」席を立った。

「おっ!お疲れ‼︎」課長が笑った。

会社を出ていつもの道を進む。


圭祐さんのお店を避ける様に反対側に渡った。

帰りにコンビニ寄って買い物して、あっ
サワー買って帰ろう。

電車に乗り最寄り駅で降りた。


マンションまで買い物袋を下げて
所々街灯が照らす。

近くまで来たところで、
人影を見つけた。

「マキ?おかえり。」
「圭祐さん?何で?私のマンション知ってるの?」

隼に聞いたけど、あいつ教えられないっ

て「マキを苦しませないでくれ」って。



会社に電話して、マキの親戚で
急用だから連絡したいって、もう帰ったっていうから住所教えて下さいって、
嘘ついた。」


「電話も繋がらないし、店にも来てくれない、どうしても会いたかったんだ」

駆け寄って肩を掴んで抱き寄せた。

「け…い…す…け…さん」

もう無理、カナ、ゴメン。
…本当は、会いたかった。ずっと会いたかった…

声にならない叫び。身体が震える。

「マキん家行っていい?」
「う、ん」


ドアを開けて、中に入った
圭祐さんは後ろから私を抱きしめて
「マキ、俺を忘れるなんて言うな!
好きなんだ。
俺の前からいなくなるなよ。」

向きをかえ、私の頬を手のひらで触れる
熱くなる身体、唇にそっと触れて段々
激しくなってゆく。
舌をねじ込み口内をはう。
首筋にふれながら熱い息がかかる
「だめ…。いやぁ…」「もう、無理、抑えられないよ」
ソファーベットに倒れこむ。

「カナちゃんには、キチンと分かってもらおう。俺がちゃんと話すから
心配しなくていいよ。」
「俺の名前呼んで…。
「け…い…す…け」
「マキ、愛してる。」

着ていたコートも、脱がされて、
ブラウスのボタンに手をかける
ふたつの膨らみに触れる指、
ブラを下げて胸の頂きを吸う。
「ハァ〜。あっ〜」
自分の身体がまひして、
甘い愛撫に溺れていく。
「マキ…。ベットいこう。」
私は抱えられてベットに下ろされた。
二人の体が沈む。
圭祐は、私の着ていた服を優しく剥いで
ショーツだけになった。
身体のラインを指先が撫でる。
ビクッと震える。
圭祐さんもシャツを乱暴に脱ぎ捨て生まれたままの姿になった。
引き締まった体が私を包む。

背中をスッとすべる指先。電流が走るような感覚。

優しいキスが身体中を支配する。


左手が胸の頂きを撫で揉みしだき、
右手は、内腿を撫で、一番敏感な場所をショーツの淵から指が侵入する。
「あっッ〜、うっ〜ん」
「マキ…気持ちいい?」
「沢山、鳴いて、沢山感じて」
熱くとろけてしまっているだろう
私の中心部分をかき乱す。

下着を外され、あらわになるそこに、
彼の舌が動く。甘い愛撫に

「んんん〜あ〜んっ」

艶かしい音をたてる
「マキ…イッテいいよ。」

「あっ〜。ダメ〜、はぁ〜。いや〜」

反り返る身体。

彼は、下からわたしを見上げて、トロンっとしたわたしの瞳を、みつめながら

「俺を感じて…。」脚を大きく開き
グッと私の中に入ってくる彼自身、
「マキの…中…熱い。」
「やっと、俺のものになった…。」

「け…い…」気持ち良さと幸せな気持ち。そして、カナに対するザンゲ、
涙が頬を伝う。

「マキ…。好きなんだ。
愛してる。俺のマキ…。」

「あ〜ん、いやぁ〜、はぁ〜ん」

私の奥のずっと深いところまで入ってくる、肌が触れる度、押し寄せる快楽の波


沢山鳴かされて、私の中で彼自身が暴れる
「け…い…。もう、ダメ〜。無理〜。」

「マ…キ、一緒に…。」

二人は同じ場所まで昇り詰めた。


カーテンから漏れた光に、

目をこすり、ふと横を見た。
スッと整った鼻筋、おでこに掛かるブラウンの髪、
私は、そっと頬に触れてみた。

「う〜ん」
「あっゴメン、起こしちやった?」
「マキ?おはよう。」上半身裸の彼が
右腕をそっとあげて私を包む。

恥ずかしくて、まともに、顔を見れないでいると、
「そんな顔して、まだ足りない?」
「違う。そんなんじゃ…。」

いつの間にか私を押さえて、上から見た見下ろす彼。

首筋を伝う舌、ぞくっとする。
鎖骨、肩、段々下に向かって
胸の頂きを唇が挟む。そして、ペロっと
舐めながら、もう一つの膨らみをしたから持ち上げ揉みしだく。

「あっッ、イヤ〜、」
「仕事、時間が、」

「大丈夫。まだ、早いから、」
「でも…。支度しなきゃ。」
「近くに、車止めてるから、送っていくよ。」
「だから…。もう少し…。なぁ?」

圭の甘い香りにそのままのまれてしまった。



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