コンプレックスさえも愛されて。




彬さんの身体に凭れ掛かるようにして、首筋に鼻先を押し付けるようにして、私もとっても幸せです、って答えた。
彬さんの唇が瞼に触れてきて、沙耶香、って優しく呼ばれてちょっと顔を上げたら、すぐに唇が重なった。





「会社で普通にできるかな、俺」
「え?」
「涼子さんにはさ、アンタ沙耶香の事好きなのバレバレだから気を付けなさいよ、とか言われてんのに、もうなんか、我慢できなくなりそうでこえぇよ…」
「え?嘘……松本さん、知ってるんですか?」
「ん、あの人には絶対嘘吐けねぇし……まぁ、あの人も社内恋愛組だから、バラしたりしねぇから大丈夫だけどな」
「え?あれ?…社内恋愛組って……え?」

周りの事なんか全く目に入っていなかった私は、彬さんの言葉にただ驚くばかりで。




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