二度目の恋の、始め方
「…………り、凛ちゃん?」
「言い過ぎだと思います!」
私の言葉に途端に顔を険しくするS女の子達は、真面目とはかけ離れたケバケバしい容姿で少し怯んでしまうけど、ホントに影でこういう陰険なイジメはダメだよ。
「ハァ?ていうか、あんたもしかして最近S科に出入りしてる普通科の奴?」
「楠木君の彼女!?」
「有り得ないって。噂では美人って聞いてるし、コレは美人ではないでしょ」
「どう見てもチンチクリンだよね」
「でもどんだけ美人でもどうせ楠木にボロボロにされて終わりだよ。可哀想~」
そう言って私を見るなり馬鹿にしたように笑う彼女達を、迫力のない瞳で睨み付けても効果は無さそうだけど、それでも彼女達の口からきょんの話が出ればさすがに黙ってられない。確かに理玖ちゃんは最低だけど、
「友達を悪く言わないでください。それに理玖ちゃんの事、何も知らないくせに」
「ハァ?」
「好き勝手言わないでね」
私が雄大を好きな子達に虐められても理玖ちゃんだけは離れずにそばに居てくれた。絶対助けてくれないところは腹黒い理玖ちゃんらしいけど、いつも笑い飛ばしてくれる彼に私はいつも元気を貰ってたんだ。
「ふん、エラそうに。それに今庇ってるその女、葉山がどういう人間か分かってんの?関わらない方が今後の為だと思うけど」