二度目の恋の、始め方
そのまま別れた理由とお父さんの病気のことを全部きょんに話せば「……凛は本当馬鹿だね」そう言って、哀しそうに微笑んで頭を撫でてくれて、それ以上深く聞かないきょんの優しさに泣きそうになった。
「じゃあ今日は特別に、プレミアムバナナオレ奢ってあげようかな~」
「~~っ!?良いの!?プレミアムって通常百円のとこ160円もするんだよ!?」
「凛の残念な顔に免じてね」
「ありがとう!きょん大好き~」
「ウス、川嶋に宇佐美。つーかお前等、朝から元気過ぎ」
「どいて~」
歩道のど真ん中できょんに抱きついていると、後ろから自転車のベルを鳴らしながら悠々自適に二人乗りで現れた人物に邪魔された。同じクラスの有馬と佐渡。
「二人乗り、見付かったら謹慎処分だよ」
私がマスク越しに膨れっ面でそう言うと、後ろに乗っていた有馬がぴょんっと軽快に飛び降りる。相変わらず今日も清潔感すら感じられないだらしなさ。髪の毛はまぁ、ワックスで綺麗に弄ってはいるけど。
「有馬!急に降りたらあぶねぇって!」
「わりーわりー」
「宇佐美さん、代わりに乗る?ムサ苦しい有馬なんかより宇佐美さん乗せたいし」
「ん~ん。遠慮しとく」
きょんに軽く断られた、有馬よりは爽やかな佐渡君はママチャリに乗ったままショックだったのか肩を落としている。