河童観察物語。


「全くもう…マイペースすぎなのよあんたは。放課後まで寝かせておいてあげたんだから感謝しなさいよ」

「ありがとうございます香実様」

「棒読みで言うなら最初から言うな。因みに、感想文は明日までに書いて提出しろだってさ」

「うぇーヤダーてかムリー」

「ファイトー」

「棒読みで言うな」


ブツブツ文句を言いながら、僕達は図書室を後にした。






僕は神霜水凪(かみしも みずな)17歳。極々一般的な県立高校に通う、極々一般的な女子高生。


女なのに自分の事を僕って言ったり、名字が地味に凄いねと稀に指摘されたりする。


自分でもそう思うけど、気が付いたらそれが定着してたし、名字が地味に凄いのは……うん、とにかく地味に凄いんだよ。


そんな僕の極々一般的な平凡ライフを、ある日一瞬にしてぶっ壊す奴がやってくるなんて、この時の僕は知るよしもなかった。


つーか知れないしね、僕予知能力とか持ってないし。なんで神様は僕にその力をくれなかったんだ。


その力があれば、この先あんなことにはならなかったのに……。







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