声の限り私は歌う

リスペクト

ぐるりと方向を換えて歩き出す
完全に無視して何もないと装う
「席見つかんないね~」
とか言ってこの場から離れようとしたら
「おい!待てよ」
その瞬間ぐいっと引っ張られた
まぢかよ…
「は?なに?」
「何じゃないだろ?なんでスルー?」
「えっ…話したくないからでしょ、察してよ」
少し声を小さくして言った
「ってゆーかさ、あんなフリ方をした相手がいるんだからやめてよ引き止めないでよ!」
「まぁまぁ、そう怒んなって!」
「あいつはそういう奴なんだよ、だから慣れるしかねぇんだよな」
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