きっと星のせいだ
初恋
ー初恋ー
あなたは、自分の初恋覚えてますか?

私の初恋は小学3年生のとき

初恋は胸が張り裂けるくらいにドキドキするもの


私は夏休み家族でキャンプに行った

向かったのは車で3時間ほどの山奥

澄んだ空気と澄んだ川

それぐらいしかないところ

その頃の私は
特に悩みもなく楽しみもなく学校に行くのも憂鬱だった

あなたに会うまでキャンプに来たことだって後悔してた

昼はみんなでバーベキューをしたりして
夜はみんなで花火をした

普通に楽しかったがなにか、足りなかった

星が大好きな私は夜テントを抜け出して
星がよく見える丘まで行った。

丘へは長い階段を登っていかなければならなかった。

幼く体力のない私にはかなりきつかった

たくさんの階段を登りやっとついた丘にはすでに人がいた。

一人でゆっくり見たかった私は少しガッカリした

その人は私より少し大きい4年生くらいに思えた。

でも見ているうちに引き込まれていった

星を見上げるその子はとても綺麗で

筋の通った鼻

長いまつげをあしらった目は悲しそうに、
でもどこか愛おしそうに空を見上げていた

切ないくらいに恋をした。

一目惚れだった…

男の人に見とれるなんて初めてのことだった

あなたは綺麗だった何も言えないくらい、

私は勇気を出してその子の近くまで行った
星を見上げるふりをして君の横顔ずっとみていた

少しして私に気づくとその子は私を見て
「君も星を見に来たの?」
と満天の笑顔で聞いてきた

「うん、、」
少し俯きながらはにかんで答えた
それが精一杯だった

すぐそこにいるのに遠く遠く感じた 


なぜだろう、星みたい


少しの沈黙のあと
「一番好きな星は?」

そう聞かれて私は弾かれるように迷いなくでも彼の目をしっかり見て
まっすぐ答えた

「全部!、」

彼は少しびっくりしてから

笑った、

空に輝く星に負けないくらい綺麗な笑顔で、




たわいのない会話しか出来なかった

私は相槌をうつことしかできなかった

でも、そのひと時は永遠にさえ感じられた
しかし、永遠とはいえ別れはやってくる

帰り際、少しかける言葉に迷う私に
彼は言った

「次会ったらそれは運命かもしれないね。」
と冗談っぽく笑って

離れていく彼の背中を私はただただ見つめていた。

あのことばは今も私の中で輝き続けてる。

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