キミだから・・・


~朝~

いつも家を出る時間の、30分前には支度ができて、下におりた。



リビングのドアを開けると、お母さんが忙しそうに台所で動いている。



お母さんは、私に気づくなり、



「日愛!?どーしたの?
どこか、体調でも悪いの?」



なんて聞いてくるから、呆れてしまう。



「ううん、早く起きちゃっただけ。
今日は少し早く行くから大地が来たら言っといて?」



「えぇ......分かったわ、気をつけてね?いってらっしゃい」



お母さんの笑う顔は私までつられて笑ってしまうほどきれいだ。



「いってきます!」



玄関のドアを開けると、夏の太陽が私を照らす。



大地は......まだ来ていない。



よかった......今はどんな顔して会えばいいか分かんないもん。



久しぶりにゆっくり歩いて学校まで行ったから、今日は地味に機嫌がいい。



なんて思ったのもつかのま......




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