バレンタイン*少しの勇気をください。
その瞬間
「し、東雲くん!!」
あたしの大きな声が響いて、5組の教室がしんと静まり返った。
無意識のうちに叫んでいた。
「…ちょ、百合!」
「えっ、え、どうしよう!!」
ユキちゃんと二人で小声で焦っていると、
「あれ、キミは…」
東雲くんが目の前まで来ていた。
「わぁわぁ!!
ごめんなさい!!なんでもないです!!
それじゃ!」
手を顔の前でブンブン振り、ユキちゃんの手を引っ張って逃げたした。