オレンジ。～星空の下で。anotherstory～

手術当日。

麻酔で眠る数時間前、
葵から電話があった。

手術の時期がずれたことだけは言ってある。

1回ダメになったという事は言わなかった。

『……いよいよだね。』


「……せやな。」

『緊張してる？』

「……そら、少しは。」

『そうだよね……。』

「……でも、大丈夫や。
俺は、負けへん。」

『……うん。千洋、強いもんね。』

「……まぁ祈っとってや。
ちゃんと、帰ってきたら……」

『……帰ってきたら？』

「……いや、いい。帰ったら言う。」

『……何？それ。
まぁ、いっか。楽しみにしとく。』

「……おう。」

そんな話をして、電話を切った。