オレンジ。~星空の下で。anotherstory~
料理を食べたあと、
俺は葵と外に出て話していた。

二人きりで話すのは、あの屋上以来だ。

「……改めて。手術、成功おめでとう。」

「あぁ、おおきに。」

「これで、したかった事が
思い切り出来るね。嬉しい?」

「そらそ〜やろ。
嬉しない奴がどこにおんねん。」

「ま、それもそっか。
……質問。
千洋が今したい事は何?」

「んー、改めて問われると悩むわな。
あ、でも未来のことはよう考えるで。」

「未来……?」

「せや。
葵と結婚して、幸せな家庭を築くこと。
手術する前に、夢に見たんや。
葵と俺がな、結婚して女の子が産まれて、
楽しそうにしとる。そんな夢やった。」

「……それは、幸せな夢だね。」

「病気も治ったし、それくらいは
夢見てええんちゃうかと思てな。」

「……うん。
わたしもさ、夢があるから
それに向かって頑張るよ。
頑張って働いて、結婚しよ。約束。」

葵がそう言って、小指を差し出してきたので
俺はその細く小さな小指に
自分の小指を絡めた。
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