彼のぬくもり



正直、学校で浮くのは分かってた。


でも、ここまで?




「まじうざくね?」

「どうせ色目でも使って近付いたんでしょ。」

「本当に気に食わない。」

「別に対して可愛くもないくせに。」



はぁ。何でここまで言われるの?
男子も少し引き気味で直まで話しかけてこない。


私が来ない間に何かあったとか?


でもよく思われてないのは確か。



「ねぇ。直。」

びくっ

「ど、どした?」


「何で避けるの?」


「え、それは‥‥」


「私、嫌われてるの?」


少しシュンとすれば焦り出した。


「ち、ちがっ、」


「私は嫌いじゃないよ。」


「「え‥‥」」


そう言って声を発した子を見てみれば、栗色のショートヘアーの綺麗な子が目の前に立っていた。


身長は多分私くらい、くりっとした猫目で鼻が高く、小さくてぷっくりとした唇。


でも失礼な事に私にはこの子の名前がわからない。


「あの、、」

「私、山中 聡美 ヤマナカ サトミ って言うの。」

「あ、聡美さん。」

「さんなんて要らないよ。私ねこのクラスで浮いてんの。ほら、目つき悪いでしょ?それに笑わないし。怖いって言われてんの。」

「は、はぁ。」

「あんた来ないだ数日は来たけどまた来なくなったから なーんだ、怖気づいちゃったのか。 って思ってたんだけど、今日来てびっくりしちゃった。」


「んなっ、ちょっとあんた!失礼じゃない?!いきなり話しかけてきて、人の事馬鹿にするなんて!大体ねぇ、何言われようがどうでもいいわ!嫌いなら嫌ってれば?下らないっ。」


私の負けず嫌い発令。

だって失礼でしょ?!
腹立つわー。



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